国際ヨガ協会

ミュージックヨガ

国際ヨガ協会・宇都宮中央支部長
栃木県女子体育連盟社会体育理事
益子篤子
ミュージックヨガ
ミュージックヨガ

ヨガの様々なポーズは、スポーツ科学的に理論づけられ「ストレッチ体操」 として普及し、各種スポーツのウォーミング・アップ、クーリング・ダウンに使われています。より効果を高めるための方法として「ミュージックヨガ」の取り組みを行っています。

NPO法人国際ヨガ協会・栃木県下の支部/学園では、ママさん達がつくった子連れで参加できるヨガサークル「子育てサポートヨガ」を応援しています。
2006年10月29日(日)に宇都宮市北生涯学習センターで行われた発表会にミュージックヨガ「童神」で参加しました。

赤ちゃんを抱いた「英雄のポーズ」 赤ちゃんの時から通っていた幼児はひとりで一緒にポーズをします。
ママさんの高い高いを喜んでいます。 一人でできる人は「逆立ち」や「コブラ返し」のポーズにも挑戦。

「体育としてのヨガ健康法 『ミュージックヨガの整体法』」

「ダンスの教育学」松本千代栄、川口千代・編著/徳間書店 1992年刊 に投稿

ヨガとミュージックヨガについて

古代インドから伝わるヨガは、バラモン教の僧侶が「悟りを開く」その目的のために行った様々な方法全体の総称であるが、ハタ・ヨガと呼ばれる肉体的鍛練法、 生理的な体の操作法とラージャ・ヨガと呼ばれ、瞑想へとつながる心のコントロール法、精神的なリラックス法は、多くの人たちに愛好され続け、現在では心身の健康法の一つとして広く世界中に普及している。ハタ・ヨガの様々なポーズは、スポーツ科学的に理論づけられ「ストレッチ体操」として普及し、各種スポーツのウォーミング・アップ、クーリング・ダウンに使われている。その動作とヨガのポーズ(アサナ)が類似しているため、違いについての質問を時々受ける。そのような点に多少の解釈を加えながら、ハタ・ヨガにおけるポーズの方法を示し、より効果を高めるための方法として「ミュージックヨガ」を示した。

ポーズの方法とその完成度について

現代まで伝わるハタ・ヨガのポーズは、そのバリエーションを含めると多数になる。そこで基本的ないくつかのポーズを例として取り挙げ、説明を加えた。またポーズをおこなう時の注意として、力や反動はなるべく使わずに、そのポーズをイメージして「どのように動かすと体はどうなるか」という内的感覚を大切にすることが挙げられる。ポーズをしながら意識を自分の体のひびいている部分に集中し、いわゆる「気の流れを感じる」という方法を身に付けると、ポーズが美しくなる。やっていて、見ていて無理のないポーズが完成度が高いといえる。ゆったりとした呼吸で、体の声を聞きながらポーズを行なうようにしたい。それは目標の一つでもある「心のコントロール法」に、そしてメディテーション(瞑想)へとつながる。

ポーズにおける留意点

ポーズの細かい注意や順序、呼吸法などは、ヨガに関する本を読むことや専門家に習うことで学んでほしい。ここではポーズを行なう際に出てくる体のくせや歪みをチェックする幾つかのポイントについて示した。チェックした上で、さらにポーズによって体の左右のアンバランスや歪みを修正し、完成度の高いポーズをめざす。それは、美しい姿勢、健康な内臓、心の安定をもたらす。しかし、個々の体は病気や怪我 による障害、体質の個人差があるので、決して一律に考えることはせず、完成ポーズをイメージして目指すその内なるエネルギーを充分に発揮することに目標をおいていくことが重要である。呼吸法はたくさん息を吐いてたくさん吸う、力が入るようなポーズをする際は息を吐きながら行なうことが、一応の目安である。

ミュージックヨガの留意点

連続するポーズを音楽を聞きながら舞うように行なう。これをミュージックヨガと呼んでいる。音楽に合わせてポーズをするのではなく、耳から入った音が引き起こす体の反応を感じてポーズを行なうようにする。当然ポーズは心地よくできる範囲までとする。この方法はダンス表現をしているような楽しさがあり、関節の動きや筋肉の伸びの範囲が広がり、できなかったポーズができるようになるという効果ももたらす。図で示した全てのポーズが、安定した呼吸をしながら無理な力を使わずに高い完成度でできる場合は、肉体的に大変バランスがとれていて、自由に動ける体であるといえる。

  • 「前へ倒す」「背面をそらせる」「体側を伸ばす」「胴を逆転する」「体をひねる」「バランスをとる」それぞれの要素のポーズを組み合わせる健康体操のようなプログラム。
  • やさしいポーズで音楽に揺られながらの瞑想のようなプログラム。
  • インド舞踊の動きを取り入れているお楽しみ風のプログラム。

などがある。

また、要望に応じて初心者向き、熟年者向き、リハビリ用など、ポーズの組み合わせ方を工夫して行なうことができる。ミュージックヨガに使われる音楽は、人それぞれのリズムで自由に音がとれ、体と心をリラックスさせるようなものがよい。いわゆる脳波のα波を引き出すような音楽、一定のリズムのリフレインの瞑想音楽のような音は、その要求に合っている。

これからの課題

まだまだ未開拓な分野であり、未熟な研究であるが、自分の体の中から湧き起こる要求を感じて自分のリズムで体をめざめさせるミュージックヨガのような分野は、緊張や不安の多い現代の生活の中では大変必要になってくると思える。自分の体の中に感じている爽快感を人に伝えるような表現力のあるミュージック・ ヨガのプログラムを増やしていくことが課題である。

(引用以上)

「自分のリズムを感じて身体を動かす楽しさ」

全国女子体育研究大会・投稿

1.はじめに

1991年に行われた第25回全国女子体育研究大会に発行された「記念研究紀要’91」にヨガ教室の展開について提示した。その後、サークル数、サークルから育った指導者も増え、活動が続いている。サークルの運営と実技内容について紹介するとともに、自分のリズムを感じて身休を動かす楽しさについて述べたい。

2.ヨガサークルについて

栃木県の宇都宮市においてヨガの指導を始めたのは1986年(昭和61年)である。宇都宮市とその周辺ではヨガの体験者が少なく、健康志向の高まるなかで興味、関心をもっている人が多かったといえる。また宇都宮市の公民館の施設が新設されサークル活動が奨励される丁度よいタイミングであった。従来、ヨガは専門家によってヨガ道場や教室において小人数制で習うパターンが多かったが、下野健康ヨガの場合は、肉体的、生理的操作を主とするハタ・ヨガを中心に学校体育的に一斉指導で行い、気軽にヨガに参加できるような教室づくりにした結果、健康法としてマイペースで続ける人が増え、サークルの数も増えてきた。

3.活動場所、運営費

公民館、地区の集会所(主に和室:冷暖房完備)を使用。公民館の自主サークルの場合使用料は無料、集会所は1回1,000~1,500円位である。サークルの会費徴収額は講師料と運営費を考えた額となり低額で済むことになる。サークルの会員数は1サークル10~30名、会計係は当番制で会員の中から選ばれている。講師料は1回毎の一定額であり、会費の残額はプールし、行事の際の補助金として使われ、会員の親睦に役立てている。

4.実技内容(約1時間30分)

調息
調息

(1)調息

金剛座(正座)になり目を閉じてゆったりと呼吸をする。呼吸を整えて、ヨガを行う気持ちをつくる。

(2)ほぐし

足や手、腕、首などを動かし身体各部をほぐしていく。

(例)
◆足の指を一本ずつまわす
◆土踏まずをたたく
◆足首をまわす
◆手の指をストレッチする
◆腕を前、後ろ、上へのばす
◆首をゆっくりとまわす
◆軽いポーズ(アサナ)を行う

※ 高齢者などはこのほぐしだけでも十分である。体調の悪い場合も同様

ポース(アサナ)の分類
ポース(アサナ)の分類

(3)ポーズ(アサナ)

身休のさまざまな部分を動かすために、つぎのような要素をもったポーズを組み合わせて行うハタ・ヨガの特徴的な事は床に仰臥あるいは伏臥して行うポーズが多くそのことにより内臓を横にする、或いは逆転させることである。

◆言葉での指示はあるが自分の呼吸リズムで自分のペースで行うことが人切であり、絶えずそのことについての言葉かけをしている。
◆丁寧にポーズを行うとかなりの運動になるので、やり過すぎないようにどな いように個人の体質、体力に配慮する。

教室風景

(4)休息タイム

仰臥し全身の力をぬいて身体を休める。好きな風景や好きな色をイメージしてみる。眠い場合には眠ってもよい。約10分問の休息は疲れをとり帰宅後の家庭での行動が気持ちよくできる。

(5)ボディーコミュニケーション・タイム

2人組になって1人がうつ伏せとなり、もう1人が相手の背面部分を軽く叩いたりマッサージあるいは指圧などを行う。
この時間はおしゃべりタイムでもありお互いに情報交換のにぎやかな時間である。
身体にさわるため、慣れない人と組むと緊張をしたり、遠慮から気まずい雰囲気になるなど人間関係のむずかしい面もあるが、人と触れ合い、ぬくもりを感じることは大切なことであり、高齢者になるほど必要になってくることと思う。どのサークルでもこの時間を楽しみにしている方が多いので、雰囲気づくりに配慮をしながら続けていきたい。

5.行事について

合同ヨガの会
合同ヨガの会

宇都宮は自然豊かな奥日光、那須に近く、すばらしいハイキングコースに恵まれている。その地の利を生かして春と秋に、サークルの親睦を兼ねで“遠足”を実施している。自然の雄大さの中に入り歩くことは、身体的にも精神的にもリフレッシュする効果がある。私は、会員同士の親睦というより、日頃の実習の結果として長い距離を気持ちよく歩くことができることを確認する場として位置付けている。歩くことのできた自分の身体をほめてあげる機会として大切にしたい行事である。

            

その他の行事としては食事会がある。どこのサークルでも同じだと思うが参加率は大変高い。また毎年秋には各地で活動しているサークルが集まって「合同ヨガの会」を行い交流を深めている。ミュージックヨガ同好会やインド舞踊同好会の発表の場にもなっている。

6.自分のリズムで身体を動かすことについて

ヨガサークルを指導していて気をつけていることは、自分の身体からおこるリズムを大切にする、他の人の動きに合わせようとしたり呼吸を合わせたりせず、自分の呼吸で行うということを絶えず言葉で伝えているということである。それはポーズをする時に全く別のことをするという意味ではない。つまり私たちは今までの習慣で隣の人はどのようにポーズをしているのか気になってしまう、周囲の人と合わせなければという気配りをしてしまう習慣がある。そういう習慣を抜け出て、まず自分の身体がそして心がどう動きたいと感じているか、身体と心に聞いてみる、問いかけてみることが大切だということである。サークルの会員の中には、もちろん身体を動かすことが好きという人もいるが、学校時代は体育は嫌いだったという人が意外に多い。自分の身体に心地よいリズムをまず見つけることからはじめて身体がスムーズに動くようになり、身体を動かす楽しさを知るようになり、自信が出てくることは重要である。 時間に少しゆとりができて、不安な気持ちをもちながら、サークルに参加してきた人達が身体を動かすことに楽しさを見いだし積極的になり、リズムダンス、フォークダンス、社交ダンスへと活動の場を広げていくことは大変うれしいことである。

7.まとめ

内容的には “ほぐし” “ポーズ” のくり返しであるが毎回が自分の身体との対話であり、その快さがわかってくると飽きることがなく、同時にヨガ本来の目標「揺らぐ心をつなぎとめる」を追い続けることができる。

ある程度の広さの床や畳の部屋があれば2~3人からでも始められるヨガは、サークルを発足させやすい健康法であると思う。指導者の育成も並行して考えねばならないが、誰もが教えられる内容であり、会員すべての人が他の人に伝えられるようになってほしい。そのためには分かりやすい指導を心掛けており、その結果として会員の中から指導者が育ってきている。サークルの中から育った指導者はほとんどが専業主婦なので、家庭を大切にすることを第一に考え、その上で勉強する機会を多くもつようにしている。そして指導する上で足りない様々な能力は、補い合うことのできるようにチームを組んで対処している。様々な性格、能力の者が集まり協力し合うことで柔軟な指導ができるようになると思う。生涯学習(生涯スポーツ)の一分野として「ヨガ」が広まっていくことを願っている。

(引用以上)

国際ヨガフェスティバルにおけるミュージックヨガ・コンテスト

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