国際ヨガ協会

ヨガエッセイコンクール 2007年度 入賞作

2007年度・最優秀賞
実践会に参加して ~ 私は変身した!

千葉・九十九里支部 小池崇之さん

2007年6月、私は3回目の「ヨガアサナ実践会」に参加して一級の允許を頂いた。谷村多香先生のご指導を頂くのは昨年に続いて2回目である。
私は大学内のヨガ教室で長谷川先生の指導を頂いて5年になる。今年3月に卒業したが、競技生活を続けるために大学に残り、週2回のご指導を受けている。はじめてすごいパワーの先生にお会いしたとき、私の祖母と同じ76歳と聞いて信じられなかった。かつて体操競技で教え子をオリンピック、世界選手権などに数多く出場させ、千葉では“鬼の長谷川”と云われたとのこと。その後はすっかり変身して“仏の長谷川”と云われるようになり、ヨガ一筋とか。
私は、兵庫県での小学校時代から慢性鼻炎とアトピー性皮膚炎で悩み続けていた。それでも大学3年の時には日本代表としてトルコで行われた「ユニバーシアード」の400メートルハードルで銀メダル、続いてマカオでの「東アジア選手権大会」で金メダルを得ることができた。ヨガをはじめてから自己記録をどんどん更新することができ、自分でも驚いた。「すごいぞ! みんなもオリンピック、世界選手権を目指して頑張ろう」と先輩に云われて緊張したことを覚えている。ヨガ教室に参加している学生達の記録が向上し続けるので、コーチも勧めるようになったくらいだ。
「実践会」は9時から4時半までとても内容が濃く、谷村多香先生の個別指導もいただき、驚いた。私が黙って座ったのに体調の悪さをずばり見抜かれてしまったのだ。その前から体調を崩していたが、「実践会」が終わって2日後から眩暈がひどく立っていられなくなり、大学病院で検査を受けたところ、メニエル症候群に近い「ストレス性小脳機能障害」と診断された。実は「実践会」の2週間後に大阪で開催される「世界陸上」の国内予選に出場することになっており、3位以内に入れば日本代表になれる希望があったので自分を追い込んでのハードな練習と緊張の日々。その頃から、鼻炎とアトピーによいと聞いて〔枇杷の種〕、〔グリーンミクロ〕を飲み始めていた。鼻水がよく出るようになり、小さい時からの体質改善に希望を持っていた。検査結果を気にしながら予選会に出場したが、ゴールに入るなり倒れてしまって医務室に運ばれる始末。日本代表になれなかった。走りながら身体が重く鼻水も出て苦しかったことは、憶えている。
予選から帰って長谷川先生に報告に行った時、先生は「体質改善の反応がしっかりわかってよかったわね」と云ってくださった。私は何だかよくわからなかったけど、長い間苦しんできた症状に改善の兆しが見えたとわかって、急に元気が出て嬉しかった。先生は私達に「ピンチは、チャンスだ」と励ましてくれる。私も今回のことをチャンスにしようと補助食を飲み続けることに決めた。
先生は時々夕食を御馳走してくださりながら、食育のお話をし、栄養のバランスや補助食について学生達に説明してくださる。ヨガ教室も楽しいが、激しい練習をしている学生には食事が魅力であり、喜びでもあり、お話を聞けるのが幸せでもある。
私は大学入学以来初めて、1か月半帰郷した。母校のグランドで恩師の指導を頂き、後輩の面倒を見させてもらった。「食事づくりをするお母さんにへばりついて、料理を教えてもらって帰って来なさい」と先生に云われ、母もバランスを考えて美味しい食事を作ってくれた。自炊生活をしている私には、夢のような日々で、嬉しいことにアトピーも消え、鼻炎は信じられないくらいよくなりすっきりしてきた。
嬉しさを実感していたらストレスも解消。9月の「実業団全国選手権」では「世界陸上」予選で負けた選手に勝ち、10月の「実業団」と「学生対抗選手権」に招待選手として出場する幸運を得ることができた。6月の不調が嘘のようで、〔枇杷の種〕と〔グリーンミクロ〕と〔ヨガ食〕による体質改善が着々と進んでいるのが分かって意気揚揚である。「実践会」での谷村先生のアドバイス、長谷川先生の援助を素直に信じ、忘れずに続けている自分を私はほめてやりたい。先生も抱きしめてほめて下さり、恥ずかしくも嬉しかった。
練習に入る前の準備運動のメニューにもヨガが堂々と入っている。体調も良くなったので「北京オリンピック」を目標に意欲満々。私は必ずトレーナーになると心に決めている。
同じ悩みを持っている人は多い。つたない文章だが参考になればと思う。変身のきっかけになった国際ヨガ協会に出会えた幸運を嬉しく思いつつ。

 

2007年度・優秀賞
長い旅を、ヨガと共に

北群馬支部 碓井克奈さん(助手)

ヨガを始めて一日でも早く健康になりたい。この痛みから解放されたい。こんな風に誰もが一度は思うのではないでしょうか。私は何度も思いました。ヨガを始めるきっかけもこんな思いがあったからだと思います。
ヨガに出会って3年、ヨガを続ければ健康できれいになる、病気も良くなると期待に胸をふくらませてました。しかし、上級アサナができるようになり、コンテストでは、賞をいただいた後、体を壊していました。ポーズをより美しくすることにこだわりすぎて自分を追い込んでしまったからです。
一番になった時に感じた喜びや達成感は一瞬にして消えてしまい、もしも「次に二番だったらどうしよう」と、喜びから不安へと感情が変わり、一番以外は、まるでビリにでもなる様な思いでした。体の中の病気ではなく、心の病気になってしまったのです。ありとあらゆる自分の中の嫌なところばかり見て、完璧ではない自分が許せなかった、人から見られることも嫌でした。
それでも、私は何とかして元の自分を取り戻したくてヨガを続けました。目を閉じてゆっくり呼吸をすることから始めました。様々な雑念が沸く中、私は生れてきてから今まで出会った人の顔を思い浮かべました。不思議と自然と体の中があったかくなっていきました。涙も出てきました。私は生まれてきてからここまでに、これだけの多くの人に出会い、支えられてきたんだ、今の私を好きだと言ってくれる人だっている。だったらこのままでいいじゃないか。心がずっと軽くなりました。
自分の体は、なまもの、野菜と同じです。その日の天気によってあげる水の量も変えていかなければなりません。本当に健康になるためには、すぐに結果を求めてはいけないと感じています。一日のうちに自分がこなせる仕事の量を知ること、どんな食べ物をどのくらい自分の体が欲しがっているのか自分自身で感じることも大切ではないでしょうか。自分で自分の体を生かしてあげる、見つけてあげる。それができた時、どんなアサナをする必要があるか分かる。結果はついてくる。せわしない気持ちを落ち着かせるためには呼吸法がある。自分に自信をもてる気持ちになるために英雄のポーズがある。ヨガのポーズには、全て意味がある。国際ヨガ協会に出会えたからこそこの思いに気付くことができたと思うと感謝の気持ちで一杯になります。
ヨガに近道はないのと同じように、健康への道にも近道はない気がします。長く続く自分探しの旅をヨガと共に楽しみたいです。外見や容姿にとらわれ過ぎないで今の自分をまるごと受け入れる強さ、自分を許してあげることのできる人間に近付きたいです。その結果として、指導者という道を歩いていけたら、これ以上ない幸せだと思っています。日々精進です。
今まで出会った全ての人達、これから関わって行く人達に感謝、合掌

 

2007年度・優秀賞
怪我の功名

長野中央支部 橋住さだ子さん

左の肩が痛い。症状は日ごとに悪化して、腕を下ろしているだけでもその重みに耐えられないほど苦痛になった。衣服の着脱にも不自由し、寝返りも打てない。「まさか、これが五十肩?」気持ちも落ち込み、やる気が出ない。この状態からなんとか抜け出さなければ。こういうときはヨガの先生にまず相談。
体に痛いところがある場合、安静にしたほうがいいのか、積極的に動かしたほうがいいのか対処に悩む。先生の答えは明朗で、「頭以外は無理のない範囲で動かして治しなさい」ということだった。動かしなさいの言葉に励まされ、明後日に迫った「アサナ実践会」にも参加した。簡単な動作すら思うようにならず、痛さのあまり冷や汗や涙すら出たが、会場の空気を吸っているだけでエネルギーをもらうことができた。
それにしても、なぜ肩なんか痛くなったのだろう。ヨガと水泳を続けている私は、肩痛とは無縁だと思い込んでいた。でも現実にこうなってしまった。そのころ仕事のストレスも抱えていたが、そういえば無理なストレッチをしたことが思い当たる。肩甲骨の硬い私は「アーチのポーズ」ができない。ようやく頭が床から数センチ離れるようになったものの、美しく弧を描くアーチには程遠い。そんな自分の情けなさ、腹立たしさを肩にぶつけてしまった。型にばかりこだわっていた自分が恥ずかしい。ヨガの基本中の基本である「自分の身体への問いかけ」をすっかり忘れていた。私の肩はヨガの原点に振り返らせてくれたのだ。
もうひとつ発見したことは「思いやりの気持ち」である。今回は多くの人たちに助けていただいた。ヨガの先生はもちろん、スイミングのコーチも私の肩に手を触れて治療してくださった。周りの人たちは「肩はどう?」と心配してくれた。みんなの優しさが、しみじみと有難かった。肩が痛い、腰が痛いという人たちのことを、自分の身体の管理ができていないからだという目で見ていた。自分の思い上がった気持ちを反省した。
幸い肩の痛みは一週間余りでなくなった。人には「二十肩だったの」と言いふらしている。短い間だったけど、貴重な経験をさせてもらった。「怪我の功名」とはこういうことを言うのだろう。まっさらな気持ちで、自分自身の身体との対話を楽しんでいこうと思った。

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