国際ヨガ協会

ヨガエッセイコンクール 2000年度 入賞作

2000年度・最優秀賞
ヨガ教室に通って変わったこと

福岡・小倉学園 野中厚子さん

勤めの合間、週に一度の身体ほぐしのためにヨガ教室に通い始めて6年が過ぎました。とくに身体が弱いとか慢性の病気があるということではなかったのですが、運動不足解消のためにと漠然とヨガを選びました。

仕事も年数を重ねるうちにストレスがたまり、週末には必ずといっていいほど頭痛がして体調が変化するのを感じるようになりました。歯車のように組み込ま れた機構のなかで黙々と任務に従事しながらも、自分では気づかないうちに呼吸を浅くし、筋肉を委縮させて、心までをも乱していたわけです。ストレスが人間 にとって大きな悪影響を及ぼすことを身をもって体験した一人です。最近、いろいろ考えた末に退職しました。すると何かふっ切れ、身体の不調もすっかり良く なり精神的にも余裕ができ、気が楽になりました。すると今では私にとってヨガが生活の一部だったんだと感じています。

教室で身体のこと、食すること、気のことなど、私の知らなかった知識を教えてく ださいました。もっとヨガを知りたい、またヨガによって得られた数々の英知を、一人でも多くの方に伝えたい、そんな思いが募って、今まで躊躇していた指導 者への道を目指しています。

ヨガを始めた頃、自分が教える側の立場になるなんて夢にも考えたことがありませんでした。
でも、私が私らしく生きていける第一歩かも知れません。今までの生徒としての立場や意識を変えていく上で、いつも心の中に止めて置きたいことがあります。まず「喜んでもらうこと」。
皆さんが教室を終えて、気持ち良く家に帰っていただけるように。そして「感謝する気持ちをいつも持つこと」。これは当たり前と思っていても、とても難しいことです。

また自分の思いとか、自分の伝えたいことを生徒さんにどう伝えられるか。人に伝えることの難しさも少し分かりかけてきました。自分が生徒でいるときはな にげなく夏の暑さをやり過ごしていましたが、休息している時に入ってくる風や、のどかな風 景が一服の清涼感を与えてくれていることに気づきました。これも、身体や心に余裕ができて見過ごしていたところが見えてきたからでしょうか。これからは気 持ちを癒すことのできる指導者を目指してゆきたいと思います。いろんなことが見えてくるかと思うと楽しみと同時に不安ですが、精一杯、それでいて力まずマ イペースで、そして自分のカラーで進んでいければと、願っています。「教えることは、学ぶこと」ですから

 

2000年度・優秀賞
ヨガ教室に通って変わったこと

東京・狛江支部 益田 清子さん

子供たちも小学生になり、ようやく教室に通えるようになって2年経ちました。ど うして私は、こんなにヨガが好きなのだろうと、自分でも不思議に思います。体を動かすことは、最高に楽しく、体の中の知らないことを教えてもらうことも嬉 しいです。均整のとれた体になりたいと思うことももちろんですがそれと一緒に、穏やかで優しい人になりたいと夢見ています。家族や友人、近所の人、だれと 話をしても体や心に満足している人はいません。「私ばかりが不幸せ」「私がこんなに一生懸命なのにわかってくれる人がいない」な どと言いつつ何十年。皆本気で生きているのに、なぜか不満がいっぱい。

父は66歳ですが、脳梗塞で治療中です。伯父はクモ膜下出血で、大手術。
みんな病気になってから自分を大切にし始めます。

人体は、血液がさらさら流れていなくてはならないと、何回も教えてもらいました。きれいな血は食べ物と健康な心が作るそうで、主婦なので食事には気を使 います。体に良いだろうと思って作った料理も、家族から喜ばれないときもあります。煮物などはまだまだ納得できるものができません。主婦という職業は、楽 に見えていましたが、すごく重大な任務なのだと気づきました。

「個性美学」も勉強したいと考えています。目や鼻の並びかたは生まれつきのものでも、表情は良くも悪くもなります。始めて会った人でも、この人いいなあと 思うことがあります。顔の配列が良いのではなく、優しい目だったり、きりっとした口元 だったり、こちらまで楽しくなる笑顔だったり。「この人と友達になりたいなあ」と思います。どうして人の顔って似ていても一人一人違うのでしょう。

先生の話による と、顔は人の“証明書”だそうです。いつでも身分証明書をさらけ出しているということです。なにかに真剣な人は、とても美しく見えます。配列は変えられま せんが、 まじめに生きていい証明書を手に入れたいです。ヨガ教室に通って、人とのつながりを大切にしていきたいと思うようになりまし た。

我ながら、すごく良いところに気づいた感じです。わがままをしたことがない、などと思っていた自分が恥ずかしいです。ヨガに出会えて感謝しています。

 

2000年度・優秀賞
ヨガ教室に通って変わったこと

広島・東広島支部 吉田武子さん

私の体調に変化が起きたのは、結婚2年目に第2子を出産した次の春のことでした。目のかゆみ、異常なくしゃみと鼻水、それに頭痛です。病院へ行くと「ア レルギー性鼻炎」との診断でした。最初の年は春だけでしたが年々ひどくなり、気温の変化でも反応するようになり、特に夏場のクーラーは大敵でした。4、5 年後には病院の先生も気の毒がるくらい重症に陥りました。ピークの間などは、夜はティッシュで鼻栓をし、マスクをかけて寝ます。朝4時頃になるとブクブク 鼻水が泉のごとく沸いて鼻栓が飛びます。日中も鼻栓にマスクが手放せません。外出のときはメガネが必要です。わが家は一町二反の作付面積のある農家です。 一番外出を控えたい時期が一番忙しい時期なのです。少しでも楽になりたいと、あらゆることをしてみました。体質改善の注射、漢方薬などなど、人がいいと言 うものは、手当たり次第試してみましたがまったく効きませんでした。それに追い打ちをかけるように、16年前の稲刈りのとき、袋詰めにした籾を乾燥機へ搬 入している際、うまく運搬車が搬入口へ横付けできなくて、バックでやり直している時あやまって壁と運搬車の間に挟まれ、危うく天国に行くところでした。幸 いにも命に別状はありませんでしたが、背骨を痛め、背中痛と腰痛に悩まされる日々を送ることになります。上を向いて寝ることができなくなり、一晩のうち半 分は座って寝ました。昼間は腰痛に悩まされました。子供の参観日には30分として、じっと立っていられないのです。激しい腰痛と吐き気が襲ってくるので す。これが鼻 水と重なる時期は大変なものでした。体は変形し、猫背になってしまいました。生きてゆくのがこんなに辛いものかと日々悩んでいました。

そんな時、ヨガと出会ったのです。14年前のことです。最初何が一番辛かったかというと、腹式呼吸です。アレルギー性鼻炎で呼吸が浅くなっているのと、農作業中の事故で体の全身が縮んでいるのとで、うまく呼吸ができないのです。
一番辛いポーズは、[ウサギのポーズ]です。気が遠のくぐらいボーとしてなかなか元に戻りません。[スキのポーズ]も同じです。背中が丸く変形しているの で[逆立ち]や[スキのポーズ]をするとき、足を直角に上げると、左右にふらつきます。[コブラのポーズ]は腰痛が走りました。それもそのはずです、[サ ヴァアサナ]をすると、腰が反り上がりこぶしが楽々通過する程です。最初のうちは教室から帰ると、とても疲れました。それでも良くなりたい一心で毎日家で 練習しました。腹式呼吸を徐々にマスターし、3年目くらいから少し体が楽になりました。7年目くらいで鼻炎が完治し、10年目で元の体に戻ったように思い ます。

年々薄皮をはぐように、少しずつ自分で変化を感じながら、今では以前よりずっと健康になりました。指導してくださった先生に感謝の毎日です。ヨガと出会っ て14年、この出会いに感謝するとともに、トレーナーになって5年、私の得た経験を生徒さんに少しでも伝えるのが私の使命だと頑張っています。ヨガを始め てもう一つ変化がありました。それは、心がとても健康になったことです。人をねたまない、うらやましがらない、許すことができる。やさしく気持ちも長くな りました。こんなに沢山のことをヨガからいただいた私は、今とても幸せです。

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