国際ヨガ協会

【こんなときこそ】series-4『免疫力と肺の特長』

【こんなときこそ】series-4
免疫力と肺の特長


ふだん高齢者の健康法としてお話しする腹式呼吸。
皆さんの肺の免疫力を高めるために、改めてご紹介します。

✿川の流れのように
肺の健康も、基本は他の器官と同じです。
質の良い血液がしっかり循環すること。

血液の “質” と “流れ” が悪い状態のことを 中医学で 血瘀 (けつお;濁った血液を瘀血) といい、
アーユルヴェーダ医学でその排出が最優先される アーマ (毒素) が溜まります。

血行と血質の関係は川の流れと水質と同じですね。
美しい川の流れ(弱アルカリの血流)を維持するには、まず予防。

食べものは大事です。
川にも体にも、よけいな汚染物質(食品添加物)を入れない。
腐敗しやすい有機物(肉類や砂糖)や酸化する油脂(揚げもの)も少ないほうがいいですね。

その上で、流れの速さ(血行)が重要。
川の上流では速い流れに滝もあったりして酸素がじゅうぶん供給されますが、
流れがゆるやかな下流域では酸素不足でちょっと飲めない水になりがちです。

水は引力によって流れますが、血行で重要なのは筋肉運動です。
特に下半身。
引力に逆らって心臓に戻すには、適度な運動の筋肉ポンプがなくては、どうしても流れが悪くなります。
冷えやむくみは酸素の不足した瘀血が溜まっているサイン。

温めれば一時的に流れは早くなりますが、厚着や入浴、暖房に頼っていては自前のポンプが弱るいっぽうです。
ぜひヨガ体操など、バランス良い運動を心がけてください。幾つになっても筋肉は正しく使えば強さとしなやかさを維持できます。

✿肺はスポンジ
肺の健康も同じなのですが、ひとつ問題があります。
肺は筋肉のないスポンジのような器官で、自分では動けない!のです。

まず、肺はいくつあるかご存じですか?

正解は5つ。



左は2つ{上葉・下葉}、右は3つ{上葉・中葉・下葉}に分かれています。
左右とも、使われていないと胸水や分泌物がたまりやすいのが 下葉。
そこは酸素も免疫細胞も届きにくく、細菌やウィルスが進入すると爆発的に増殖して、命に係わる状態になるのです。



呼吸には、胸郭と腹筋、横隔膜の連携プレーが必要です。

上葉や中葉は胸郭を広げる 胸式呼吸 で空気を出し入れできますが、
問題の下葉を使うには横隔膜を上下に動かす 腹式呼吸が欠かせないのです。



女性や高齢者に多い浅い呼吸が習慣化すると、まず下葉の組織・肺胞が縮んで血行が悪くなり、
入り込んだ細菌やウィルス、がん細胞などに負けてしまいます。
安静時の7~8割を占めるという腹式呼吸が免疫力を左右するわけです。

マスクをするとどうしても呼吸が浅くなりがち。
レッスンが休講でも、大きな腹式呼吸をいつも意識して肺全体の血行を活発にすることで免疫力が強化されます。
シンプルな腹式呼吸健康法。
こんなときこそ、ぜひ続けてください。

*by 松嶌 徹
(国際ヨガ協会 会長)



《参考》
呼吸のしくみに興味を持たれたら、理工科の先生が作られた動画がとても分かりやすいので、お勧め。
ヨガの指導者でも誤解していることのある、呼吸と肋間筋~腹筋~横隔膜の関係。
知っておくと、意識して肺をフル活用する助けになるでしょう。

「肺の機能」
上智大学 理工学部 情報理工学科 荒井研究室
http://splab.net/APD/F100/index-j.html

国際ヨガ協会・事務局